けんちゃん

ザンジバルの女将

皆様,チワワの完全勃起を見たことがありますか?僕は有鱒。

我が家はチワワのけんちゃん(押忍)とね子のまいちゃん(♀)を飼って居ます。まいちゃんは今年,チョット早めの発情期を迎えてをり,けんちゃんや僕に対してしきりにラヴ・モーションをかけてきます。エエ,種の違いなんてお構いなしのお転婆さんなんですのよ。

で,けんちゃんも丁度お年頃なので,まんまと女狐(ね子です)の誘いに乗ってしまうのです。昼間だったら誰かが止めるのですが,其れは真夜中に起こったのです。

夜,けんちゃんはマイ両親と一緒に寝ます。夜行性のまいちゃんは家中を飛び回って居ます。夜行性の僕は台所で何かアレなモノはないかと物色して居ます。するとまいちゃんが後ろから擦り寄ってきたので,軽く愛撫してやるとなぜか背中が濡れて居るでわありませんか。

よく見ると,向こうの暗闇の中に無表情で突っ立って居るけんちゃんが。もっとよく見ると真っ赤に充血したブツがッ!先っちょからおつゆがぽたぽたと垂れています。けんちゃんがケダモノに見えた瞬間です。

しばらく観察して居たのですが,勃起はなかなか収まりません。その間,けんちゃんは微動だにしません。僕も心配になってきたのですが,勃起が収まらないからという理由で両親を起こすのもどうかと思うし。

次の朝,けんちゃんがお漏らしをしているとマイ母がカンカンに怒って居ました。

血が出たことはここだけの秘密

マイ父がぶんちゃんの事故のことで市役所に相談に行ってきたらしい。で,ペットは法的にはモノなので死なせた場合は器物損壊罪になることや,放し飼いにしていたほうにも過失があることなんかを聞かされてきたようです。僕もそれは知っていたことだけれども,悲しみに打ちひしがれて居る人に「犬はモノだ」とか「オマエらも悪いんだ」とか言う勇気はなかったので,市役所のおじさんには感謝です。いや,おばさんだった鴨しれないし,お兄さん鴨しれません。←どうでも良い。

誰にそそのかされたのか裁判をする話まで出て居たのですが,市役所のおじさん(仮)の話を聞いてそれも思いとどまったようです。よかったよかった。そんなことしても,ぶんちゃんは生き返らないのよ。なんて言ってる僕がやっぱりいちばん心優しいのだと思えてきました。

さて,けんちゃんのほうは少しづつ元気を取り戻して居ます。玄関のチャイムに反応して立ち上がった時には,家族そろって「をー!動いた!」と喜びました。僕もけんちゃんの耳をおもいっきり引っ張ってあげたりしたのですが,なんと噛み付いて呉れたのですよ(はぁと)。ただ噛み方が以前と違っているような・・。なんだか本気で噛まれて居るような・・。けんちゃんよ,僕を噛み殺そうとして居るのかい?

唯一の目撃者

けんちゃんの元気がますます無くなって居ます。以前は家の中を走り廻り,うるさいくらいに吠えまくって居たのに,今は震えながらノソノソと歩いては呆然と立ち尽くしています。まるで別犬です。

エサも全く食べないのでン子もしません。僕がじゃれ付いてあげても冷たい視線を向けるだけです。なぜッ!?昔のように噛み付いて来てッ!ここ噛んでぇぇぇええぇ(西川峰子)。

で,夕飯の時,マイ母が自分の食べているトンカツをけんちゃんにあげたのです。いつもなら喜んで食べるのに今日は食べません。次にマイ父が同じようにトンカツをあげるとこれは食べました。再び母。食べません。喜ぶ父。悔しがる母。仕舞いには「あたし,自殺する」と言い出す母。もう家庭崩壊です。

ちなみに僕は人間様の食べ物を犬畜生には呉れてやらない主義なのであげません。冷たいんじゃないんですよ。ちゃんとドッグフードを1粒づつ手のひらに乗せて食べさせてあげてます。あとギュッと抱き締めてあげてます。それからしっぽを引っ張ってあげてます。